牙龍 私を助けた不良 上
凜華はやっぱ綺麗だ。無駄に、着飾ってないからそれが際立つ。
片手で掴めそうなくらい顔小さいし、睫毛長いし、唇はピンクだし。
目を閉じた凜華が色っぽく見えて、キスしたくなった。だから、咄嗟に顔を反らしたが。
何を思ったのか、凜華は正面に回り込んで顔を不思議そうに見てきた。真っ直ぐな瞳で。
「日焼けか?」
いきなりとんちんかんな事を言った。・・・こいつ、やっぱり天然かもしれねぇ。
そう思うと、顔から熱が引いていく。顔から手を離し、はぁと溜め息を吐くと、首をかしげる。
何となく分かってたけどな、呆れからか自然と笑みが溢れる。
「違ぇよ、バカ」
「バカじゃないぞ、私は」