牙龍 私を助けた不良 上
緋色、鮮やかに
久し振りに行った学校の屋上で面白い女を見付けた。屋上は、牙龍幹部の溜まり場だから誰も近寄らない。
いつものメンバーで、屋上に向かうとドアが壊れていた。蹴ったような後が有るから、誰かが蹴り破ったんだろうな。
「あ、ドアが壊れとるやないか」
「本当ですね。一体誰が壊したんでしょうね?」
「古かったから壊れたんだろ。学校のくせにボロいから」
「「そうだね〜」」
暁、志貴、勇人、陸斗、海斗が口々に言う。よく喋る奴等だな。
「暁、直しておきなさい」
「何でオレやねん!?」
「「一番力仕事向きだもん」」
「オレは大工やないぞ!!!」
弄られている暁。いつもの事だが志貴は腹黒いし、陸斗と海斗はそれな便乗してる。勇人さ、興味なさそうだ。
「おい、行くぞ」