牙龍 私を助けた不良 上
「分かったから、紐取ってくれない?」
「「「はーい」」」
ほどいてもらって立ち上がり、ふぅと目を少し伏せながら息を吐く。その途端、女達がキャーと声を上げた。
何なんだ、次から次へと忙しい奴等だな。そう思いながら彼女達を見た。
「「男装、カッコいい・・・」」
「凜華は、ホスト役もOKね。じゃ、こんどはメイド服を試しましょう」
私をカッコいいとか言う彼女達の間から、朱里がやって来た。右手にはメジヤーやら何やら。
左手には、ヒラヒラふりふり・・・もといメイド服なるものが持たれている。
カチューシャみたいなのもあって、用意がいいなと思いつつ本能的に危機感を感じていた。