牙龍 私を助けた不良 上



一番目が引かれるのは、茶色の長髪に映える銀色の小さめのヘッドフォン。


じっと見ていると、暁が女を呼んだ。女は面倒臭そうに給水塔から飛び降りて来た。


ポケットに手を入れたままで。しかも、着地の時にしゃがんで衝撃を弱めてるし。



「私に一体何のよう?」



高くも低くもない、アルトのような中性的な声。耳に心地よく響く。


よく見ると女は、すごい美人だった。化粧を一切してないのが余計に綺麗さを引き立てる。


華奢で、起伏な身体。切れ長な瞳と鋭敏な顔立ちが、クールな感じを引き出す。




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