牙龍 私を助けた不良 上



お疲れ様という意味を込めて、もう一度頭を撫でる。すると、嬉しそうに笑うと抱き付いてきた。


・・・まるで、昔の桃華みたい。


側にいた暁と朱里が、仲がいいと言って笑っていた。そう言われるのは、嬉しくないこともない。


すると勇人は思い出したようにいそいそ離れると、私に言った。



「あのな、志貴が龍騎の様子みてほしいって」


「志貴が?」


「あぁ、志貴は文化祭で手薄になる倉庫で待機やもんな」



暁が納得したように言った。すると、朱里がふーんと興味深いと言いたげな声を溢した。


朱里・・・?



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