牙龍 私を助けた不良 上
それから私は、暁と朱里に見送られて勇人と一緒に教室を出た。
木藤がいるのは隣の教室だ。だけど、その前に制服に着替えさせて貰った。ちなみに、ヘッドフォンもまたしかり。
勇人にブーブー言われたけど、嫌なものは嫌だから取り敢えずね。
着替えを済ませて、木藤がいる部屋に向かうと。
『40分待ち』
そんな看板を持った、クラスのヤツがいた。そんなに人気なのか、ホストクラブは。しかも、キラッキラしたお姉さん方が多い。
勇人はそんな彼女達を避けるようにしながら、私を連れて看板持ちのヤツに話し掛けた。
どうやら、特別に順番待ちをしなくていいらしい。へこへこする様子を見ながら、二人で中に入った。