牙龍 私を助けた不良 上
襲来、暴君の牙
side:暁
「いつ来ても屋上はええなぁ」
「いつもと変わらないでしょ?」
「せやけど、天気がええと格別やん?」
いやー、肩がこったわー。若いはずなのに、年寄りみたいやないか。
鍛えが足りんのか?
フェンスに寄り掛かって、昼飯の焼きそばパンにかぶりつく。あー、うまい。・・・おかんに作り方聞いとこ。
「・・・今年が最後なのにな」
「あんな、モグモグ・・志貴も残念そう、モグモグ、やったけん・・・モグモグ」
「・・・食べるか喋るかどっちかにしたら?」
「せやな」
そんな俺を見て。彼女はつまらんのか、呆れているのか、溜め息を吐いた。
光の加減で、淡い紫を帯びて見える黒髪は艶があって、手入れがされとるのがよく分かる。