牙龍 私を助けた不良 上
何か、芸能人みたい。まぁ、興味はありませんが。
私がじぃー、と後ろを見てると木藤が、いきなり私の手を掴んだ。手を、・・・!!!
そして、スタスタと歩き出す。きょとんとしていた勇人は、ハッと我に返って走り寄ってきた。
「きっ、木藤!!」
「・・・何だ」
焦り慌てる私とは対称的に、不機嫌そうな木藤。
繋がれた手は大きな手に包まれたまま、ほどけるような気配はない。
「早くっ、手を離せ!!」
「・・・・」
「木藤・・・!!」