牙龍 私を助けた不良 上
麻美さんは、そう言いながらちょっとだけボサボサになった私の髪をとかして、くくってくれている。
髪を気にしないね、とか言って、桃華は私の髪に色んなアレンジをしていた。長いから、やり易いとか。
「出来たよ」
「ありがとう、麻美さん」
満足そうな彼女にお礼を言って、髪を触ると──ん?なんか、着いてる?
髪が束ねられた場所には、ゴムじゃないものもあった?
「何付けたんだ」
「私のシュシュだよ」
「麻美さんの?」
「うん。似合ってるからプレゼント」