牙龍 私を助けた不良 上
彼らが、遊び呆けていたのは本当だったみたいだ。その証拠に、暁が何してたのかと聞いている。
さすが、牙龍のゴットファザーだ。
そう考えた時、ふいに木藤が。
「・・・なぁ」
「何だ?」
「マジで入んのか?」
ふてぶてしく言った。
そこで一瞬、全員が固まった。どうやら、当初の目的を忘れていたらしい。
・・・アホらし。
その場に合わず、ジャカジャカと音を流すヘッドフォンに触りながら、そう思いたつ。
「・・・お化け屋敷に入るのが、目的やったな」
暁が頬をかきながら言う。言い出しっぺがこれじゃあ、返って呆れるぞ。