牙龍 私を助けた不良 上
「倉庫が奇襲されました!志貴さんからの連絡です!!」
「「「「・・・・!!!」」」」
「それと仲間からの報告ですが、倉庫付近を、暴牙と思われるバイクが走っていると」
・・・倉庫が、奇襲。
いや、今回が初めてなわけじゃない。過去にも、何度かこういうことはあったが、返り討ちにしていた。
そんじょそこらの、無謀な連中にやられるほど俺も、俺の仲間も、弱くなんかない。
それなのに、何故だか驚かずにはいられなかった。
「倉庫にいた奴らは?」
「相手が弱かったらしく、怪我人はいないようです。今は、志貴さんが倉庫で指揮をとっていると」
そうか、と、大雅の言葉に安堵の言葉を言い掛けた時だった。
「外は眩しいねー」
「・・・別に」
「そう?あー、お腹すいた」
「・・・・太る」
やけに目立つ二人組の女が、お化け屋敷から出てきた。同じくらいの年だろうか、その片方は何となく凜華に似ている。