牙龍 私を助けた不良 上
見覚えあるオレンジメッシュの入った黒色の髪、虚ろなオレンジの目。
ゴツいアクセサリーをした男は、拘束を解いた私の姿を見て、見下すような視線を送ってきた。
「あんな拘束、お前にとっちゃ何ともないか。・・・変わらねぇな」
何がおかしいのか、男は笑う。不気味さに、背筋がゾッとした。無意識に、拳を握り締める。
・・・まさか。
コイツが、私をここへ連れてきたのか?どうして?復讐のため?
でも、何で今更・・・?
「覚えがあるみたいだな、俺の顔」
「・・・・・っ」
「三年の逃亡生活はどうだったんだ?」
迎いにあるソファーに足を組んで座ると、手にしていたタバコを床に落として、押し潰した。