牙龍 私を助けた不良 上
「えげつないなぁ」
「ぐはっ」
「あぁいうのはあかんな」
「てめぇ・・・!!!」
えげつないと言いながら、自分もえげつない。しかも、余裕そうに笑っているからスゴい。
志貴と勇人は、この場には来ていない。
志貴は麻美さん、残っている仲間と協力して、倉庫で待機して、負傷者の治療に備えて準備をしている。
だから、その変わりに。
「牙龍に加勢しろっ!優勢を崩すんじゃねぇぞ!!」
俺の後ろで叫んでいるのは、一つ下の男。
牙龍率いる『竜神連合』第二隊関東No.1暴走族『鬼龍』総長・神城祐希(カミシロユウキ)だ。
16才ではあるが、強さは未知数の仲間の一人で、安心して鬼龍を任せていられる。