牙龍 私を助けた不良 上



暴牙の倉庫に来てからと言うもの、こっちが優勢をとっている。


余裕で待ち構えているはずの奴等は、何故か慌て騒いで、すぐさま劣勢になったのは言うまでもない。


倉庫の中に大分進んだ辺りで、祐希が近付いてきた。表情には、焦りなど一つもない。



「もう行きますか?」


「いや・・・、倉庫の奥はどうなってる?」



暴牙のメンバーの半分くらいが、倉庫の奥に逃げるように走っていく。


焦っているようなやつがいたから、祐希に探れと言ったがどうだったのか。



「分かりません。でも、何かを殴ってるのか音はしました」


「・・・そうか」



そう返して、次々近寄ってくる敵を薙ぎ倒していく。薬をやってるからか目の焦点は定まらず、拳は力なく飛んでくる。




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