牙龍 私を助けた不良 上
甘く、熱帯びて
レディースと対面(?)した後、私は保健室へとやって来た。
「失礼しま〜す・・・」
「いらっしゃ──あら、緋姫さんじゃない。どうしたの?」
若い女性の先生がそう行った。どうやら私は色んな意味で、校内中に名前が知れ渡っているらしい。
そりゃあ転校初日に不良とかレディースとかを相手に、生意気なこと言ったもんね。
「・・・眠たいのでベッド借りてもいいですか?」
正直にそう言うと、先生はビックリした顔をしてすぐに笑った。
「緋姫さんは正直ね?いいわ、一番奥のベッドを使うといいわ」
「すみません」
それだけ言って一番奥のベッドに近付いた。ダークブルーのブレザーを脱いで、黒ネクタイを緩め、横になる。