牙龍 私を助けた不良 上
昼間だからか、すぐに眠気が襲ってくる。窓から差し込んでくる日差しが温かい。
昼間に眠るなんて、昔はしたことなかった。眠るって行っても浅い眠りだったし、雑魚寝程度だった。
「緋姫さん?私、ちょっと出掛けなくちゃ行けないから出るけど・・・一人で大丈夫かな?」
「はい、大丈夫です」
私の返事を聞くと先生は保健室を出て行った。不良校だけに保健室は綺麗だった。喧嘩、多そうだしね。
『もうっ。凜華は女の子なんだから、怪我しないでって言ったじゃない』
『女の子?・・・──と呼ばれてるんだから、怪我しないっていうのは無理だよ』
・・・・・。
感傷に浸ってたら変なこと思い出した。昔の、懐かしい映像を消すように首を振るって目を閉じた。