牙龍 私を助けた不良 上
連鎖、二色の音
side:凜華
「なんか機嫌がええな?」
「楽しみなんだよ」
「楽しみらしいよ」
「「龍騎に会えるからね〜」」
次の日のお昼少し前、暁と陸斗と海斗が、病室にやって来ていた。
息ぴったりな二人の言葉に、暁は驚いたような顔をしていた。意外だったらしい。
『凜華に会いに来る、って龍騎が言ってたから』
そんなメールが勇人から届いたのは、つい今朝のことだ。
学校を抜けて、お昼過ぎぐらいにここに来る予定になっているらしい。
ずっと気にしてて会いたかったから、何だか嬉しくて。どうやら、それが顔に出てたみたいだ。