牙龍 私を助けた不良 上
「そんな時を過ごして、冬のクリスマス暴走になった時だった」
仲間から外れて、一人で何も考えてなくて、気が付いたら隣町にいた。
しかも、別の族のテリトリーだったのか、すぐに喧嘩になって、やりあってたら。
「いきなり、話し掛けられた」
『──おい、お前』
『私のテリトリーで何やってる』
振り向くと、背の低い小柄な黒いフードの女が立ってた。
いつの間に、と思いながら睨むと女は怯える所か睨み返してきて、ビビった。
『お前、目が死んでるな』
女は小さく笑った。バカにされたみたいで、苛ついた俺は殴りかかった。