牙龍 私を助けた不良 上
「お前・・・」
「名前」
「・・・木藤、どうしてここに?」
そう聞くと、むっと嫌そうな顔をした。何でだか分からないけど、こいつは何時もこんな顔をしてるな・・・。
眉間にシワより過ぎて戻らなくなりそうだぞ、いつか。
「・・・お前が──凜華が、ここに居るような気がしたから」
それだけで?って聞こうと思ったけど文句あんのかって睨んでくるから、聞かなかった。
だけど、こいつのその答えがあまりに意外なものだったから、つい笑って、
「ふっ、変な奴だな」
そう言った。