牙龍 私を助けた不良 上
「木藤、」
「何だ」
「私が入院してるのを知ってるやつが、どれくらいいる?」
妙な胸騒ぎを感じながら、隣にいた木藤に問い掛けてみれば、
「牙龍と、帝牙の生徒だけだろ」
それが何だ、という木藤の様子にさらに分からなくなる。
・・・だったら、どうして。
玲矢が、アイツが私のことを気にかける必要も、そうしている可能性だって低いのに。
「玲矢は、帝牙の理事長だろうが。生徒のことを知ってて当たり前だ」
兄さんが然(サ)もこと無げに言った。