牙龍 私を助けた不良 上
side:凜華
「じゃあ、また明日来るからな」
「・・・ん、待ってる」
面会時間が終わるギリギリまで、木藤はいつも居てくれる。
病院から家まで、そんなには遠くないらしい、だけど、木藤の時間を奪ってるようで、何だか心苦しい。
気にすんなって言われるけど、居たたまれないけど、会えるのは・・・まぁ、嬉しいかも。
私の頭を軽く撫でて、病室から出て行く木藤を見送って、一人溜め息を吐く。
記憶喪失だったとは言え、あれからずっと私は個室にいるから、夜になると静かになるから少し苦手だ。