牙龍 私を助けた不良 上
授業が滅多にない帝牙だが、期末テストが近いのでそれがあり、普段は真面目じゃない生徒も参加する。
漫画なんかの世界みたいに頭が言い訳じゃない、と木藤が言っていたから、幹部たちも出てるんだろう。
私の場合は、リハビリがない日とか、暇なときに麻美さんが貸してくれた教科書で勉強する。
と、言うわけで、昼間は担当医や看護師以外の誰とも会えない。
私は、小さく息を吐いた。そして、ふとあることを思い出して机の端に置かれた白い封筒を見る。
兄さんが置いていった封筒だが、慌ただしい出来事だったのですっかり忘れていた。