牙龍 私を助けた不良 上



授業が滅多にない帝牙だが、期末テストが近いのでそれがあり、普段は真面目じゃない生徒も参加する。


漫画なんかの世界みたいに頭が言い訳じゃない、と木藤が言っていたから、幹部たちも出てるんだろう。


私の場合は、リハビリがない日とか、暇なときに麻美さんが貸してくれた教科書で勉強する。


と、言うわけで、昼間は担当医や看護師以外の誰とも会えない。


私は、小さく息を吐いた。そして、ふとあることを思い出して机の端に置かれた白い封筒を見る。


兄さんが置いていった封筒だが、慌ただしい出来事だったのですっかり忘れていた。




< 372 / 476 >

この作品をシェア

pagetop