牙龍 私を助けた不良 上
「オレだ、No.3」
『何だ、シャドウかにゃー。どしたの?』
「姫さんに用がある。そっちにいるか?」
・・・スカイプか。
黙ってシャドウの様子を伺う。視線はディスプレイに向けられ、『No.3』という人物と話をしているようだ。
『寝てるにゃ。てか、何処にいんの?』
「帝牙の屋上。姫さんからの依頼で、朱里と来てるんだよ」
『にゃっ!?』
「あなたのつけなのよん。てゆーか、姫ちゃんを起こしてくんない?」
割り込んだ朱里が、シャドウと代わる代わる会話を続ける。
その間に、何故か志貴がパソコン操作を再開する。カチカチと、キーが打たれている。
『姫ちゃん、起きてにゃ〜。・・・ふむ、了解』
「姫さんは何て?」
『煩いバカシャドウ、だって。にゃはは〜』
軽快な笑い声がして、シャドウがピシリと固まった。地雷を踏んだらしい。