牙龍 私を助けた不良 上
「ちっ、あのなぁ・・・」
『──私は、いつもの場所にいる』
『ありゃ、姫ちゃん起きてたのか──ってちょっと、寝るの早いにゃっ!!』
「あっそ、了解しましたよー」
一瞬だけ、違う声が聞こえた。小さすぎで、どんな声かはよく聞き取れなかったが、おそらく女だ。
シャドウは気怠そうに返事をすると、スカイプを切ったらしい。パソコンから音がしなくなった。
そして、
「こういう訳なんで」
「私達は待ってるね」
──我らがknightの姫君と共に。
溢れた不敵な笑みに、一瞬だけ息をハッと飲んでいた。