牙龍 私を助けた不良 上
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「起きてくれにゃー」
「スー・・スー・・・」
「何で起きないにゃー!?」
呼ばれたから来てみれば、ネルが望夢を起こそうとヤケになっていた。
ソファーに横たわっている身体が、ゆすられるたびに丸まっていく望夢が、本物の猫みたいに見える。
「どーにかしてくれにゃー!!!!」
「わっ・・・」
俺に気付いたネルが、うわーんと言いながら、胸元をガシッと掴んで揺さぶってくる。
ガクガクとなりつつ、ネルの手をやんわりと解いて、寝ている望夢を揺する。
「望夢」
「・・・ん、る・・・?」
寝惚けているらしい、ふにゃりとした表情がこっちを向く。