牙龍 私を助けた不良 上
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待っててほしいとは言われたけど、まさか、コイツがくるとは思ってはいなかった。
ルナが近付いたってことは、コイツは確実に『あの子』が許した人物だってことでもあるけど。
・・・何だって私がこんなことを。
本当に信じられない。と、目の前の男──木藤龍騎をみながら思う。
「もしかして、knightのメンバーの子と?」
分かっていることを聞いてみると、眉間にしわを寄せて、何だか疑わしげに見られた。
「・・・何でknightを知ってる」
「・・・さぁ、なんでだろうね」
「・・・・・」
素知らぬ顔ではぐらかしたら、今度は困惑気な顔。
知ってるも何も、ここはknightのメンバーが集まっている場所だからね。
「あなたが約束してるって人は、もうここに来てるよ。──knightを呼んであげる」