牙龍 私を助けた不良 上



side:龍騎


どうやらknightのトップは手が離せないらしく、メンバーっぽい女が俺を店内へと招き入れた。


ちらほらと客がいたが、特にどうってことはなかった。


店内は落ち着いた雰囲気のカフェで、なるほど有名になるわけだと思うくらいだった。



「銀龍さんは、ここで待っててね」



カウンターまで俺を連れてきた女は、俺をそこに座らせると、近くにいた店員に何か話し掛けると、店の奥に消えた。



「いらっしゃいませ」



店員はそう言うとカウンターに立ち、カタカタと何やら作業をすると、目の前にカップを置いた。


中には温かそうなコーヒーが入っていた。オーダーしていないのに、と店員をみると、



「彼女からの奢りだそうです」


「奢り・・・?」


「はい。彼女、ここの御得意様なので」


「・・・・・」



< 404 / 476 >

この作品をシェア

pagetop