牙龍 私を助けた不良 上
「噂は、数年前の代の話ですよ」
「数年前の代?」
「当代は、三代目に当たるんですよ」
今からあなたがお会いする方が、当代のリーダーですよ。
その男は、本当にknightのメンバーだった。
害を加えてくるような様子はないので、警戒しなくてもよさそうだ。
落ち着いてから改めて、男を観察する。落ち着いていて、ケンカをするような部類には見えない。
「・・・見えないのにな」
「よく言われます」
らしい。女が放っておかないだろう優しげな風貌から、ケンカしてるなんて想像できねぇ。
意外すぎて驚く。