牙龍 私を助けた不良 上


二人の会話を聞いていると、いつの間にかルナが戻って来ていた。口に小さい紙をくわえていて、俺の前にすっと置いた。


裏返しのそれとルナを交互に見ると、にゃーと鳴かれた。見ろといいたいらしい。



「あら、ルナ。姫ちゃんのお使い?」


『にゃん』


「ルナは賢いですねぇ」



そんな朱里と男を余所に、ルナが持ってきた紙を引っくり返してみると、短いメッセージが書いてあった。



『welcome.Mr.GINRYU
Come here if you have resolution.
Moon lead you to my room.
from knight』



──ようこそ、銀龍。覚悟があるなら、ここへ来い。月がお前を、私の元へと導いてくれる。


・・・knight、か。



< 409 / 476 >

この作品をシェア

pagetop