牙龍 私を助けた不良 上
少女は冷たい身体を抱き締めると、濡れた格好のまま浴室に入って、頭からいっきにシャワーを浴びた。
ミライが見つめる中、彼女の冷たい身体に当たるお湯から立ち上がる湯気が、浴室に立ち込める。
俯いたまま、少女が着ていた服のボタンを外して足元に落とすと、ベチャッと音がした。
下着も倦怠な動作で、床に落とす。
「───・・・・」
『ミィー』
何かをするでもなく、少女はゆるりと右腕をあげると、左二の腕をきゅっと掴んだ。
そこには、一匹の龍が描かれていた。緋色のそれは、細部がない塗り潰しというシークレットで、今にも天に向かって行きそうだ。