牙龍 私を助けた不良 上



ミライを抱き上げている私を抱き締めてから、華さんは出て行った。


パタンと扉が閉まる様子を眺めてから、鍵を閉め、ペタペタと裸足のまま廊下を歩いて自分の部屋に戻る。


ミライを枕元に下ろしてベッドに転び、布団を被って丸くなる。



『ミー』



ごそごそとミライも布団に入ってきて、大きく欠伸をしてうとうとし始めた。


・・・何か、疲れた。


頭の中をぐるぐると回る記憶に、無意識に走って向かっていたのは家だった。


コンシェルジュが止めるのを聴かず、多分一番安心できる場所に本能で向かったんだと思う。



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