牙龍 私を助けた不良 上
叫ぶ、君の名を
* * * * *
幸せな夢を見た。
『凜華、笑って』
『・・・どうして?』
『まぁいいじゃん』
ひなたは穏やかに笑っていて、私の頭を撫でている。
いつだったかな。
ひなたはよく私の頭を撫でながら、笑っていた。彼は、誰よりも太陽みたいな人だった。
くすぐったさに私が笑うと、ひなたもつられたように嬉しそうに笑った。