牙龍 私を助けた不良 上
気だるそうな女は、スタスタと歩く総長の後ろを小さく会釈しながら、ちょこちょこと付いて行った。
「誰だろうな、あの女」
「総長の女なんじゃねぇの?」
「そりゃ違うだろ」
「有り得ないだろ」
「もしかして、妹とか?」
ワイワイ、ガヤガヤと話す下っぱ達の間で様々な考えが浮上する。
彼女、姉、妹、幼馴染み・・・。しかし、どれも違うだろう。どれも当てはまりそうにない。
「あいつ、本当に誰なんだろうな」
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