牙龍 私を助けた不良 上




気だるそうな女は、スタスタと歩く総長の後ろを小さく会釈しながら、ちょこちょこと付いて行った。



「誰だろうな、あの女」


「総長の女なんじゃねぇの?」


「そりゃ違うだろ」


「有り得ないだろ」


「もしかして、妹とか?」



ワイワイ、ガヤガヤと話す下っぱ達の間で様々な考えが浮上する。


彼女、姉、妹、幼馴染み・・・。しかし、どれも違うだろう。どれも当てはまりそうにない。



「あいつ、本当に誰なんだろうな」




* * * * *




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