牙龍 私を助けた不良 上
「妨害プログラムなんかされとったんか。そりゃあ、またまた」
「一般のものではありません。専門か独自のプログラムだと思われます」
「まさか。族かヤクザやないと」
龍姫──牙龍の姫にした凜華のデータを把握するため、ハッキングを行った。
しかし、強力な妨害プログラムによりハッキングすることは出来なかった。何一つ掴めなかったのだ。
こちらの世界の情報屋《ネズミ屋》にも当たってみたが、何も得られずで。
「何者なんやろうな」
暁の言葉が、静かな部屋に溢された。