牙龍 私を助けた不良 上
* * * * *
「・・・くしゅっ」
「あら。凜華、大丈夫?」
うー・・・。
風邪なんか引いてないのにくしゃみが出た。誰かが噂でもしたのかな・・・?
ここは県立病院近くの花屋さん。ママの妹にあたる一之宮花さんが旦那さんとやっているお店。
花さんはスッゴく美人さん、高校時代はモテモテだったらしい。
花さんは小さめの花束をお店の奥から持って来た。昨日、頼んでおいた物だ。
お見舞いようだから小さいし、色合いも落ち着いている。それを受け取ると、花さんが言った。
「凜華、昨日だけどアイツが顔を見せに来たわよ。お見舞いのついでにって」