牙龍 私を助けた不良 上
「また、痩せてるね・・・?」
机に花束を置いて、部屋の隅からイスをもって来る。それに座り、そっと手を握る。
小さい少し骨ばった手。
『手術は成功しましたが、いつ目を覚ますか分かりません。・・・このまま一生目を覚まさない可能性も、否定できません』
3年前。
大量出血で瀕死の桃華を助けてくれた先生は、残酷にもそう告げた。
そして、アイツの死も宣告された。
・・・荒れ果てた私は銃で狙われていることに気付かず、ひたすら拳を奮い続けた。
無我夢中で、手に血がついてるのにも気付かなくて、そんな私を庇ってアイツが死んだ。即死だった。