牙龍 私を助けた不良 上
3年前──。
牙龍の暴走で少し遠出した時に、俺が一人そこから離れてケンカをしていた時だった。
「──おい、お前」
「あぁ?」
「私のテリトリーで何やってる」
突然掛けられた声に振り向けば、背の低い小柄なフードの女が立っていた。
いつの間に・・・?そう思いながら睨むと女は怯える所か睨み返してきて、ビビった。
「お前、目が死んでるな」
そう言って女は小さく笑った。──コイツも目かよ。そう思うとイライラした。どいつもこいつも。