牙龍 私を助けた不良 上




そんな私が、唯一持っている可愛いものと言えば。



「ミライ、美味しい?」


『ミィ〜♪』



ペットのネコ・ミライくらいだ。全体的に他のネコより小さいしおとなしい。よちよち歩く姿が可愛い。


休み明けの月曜日。変わらず授業のない帝牙高校の図書室で、ミライとお昼。


甘えん坊な仔猫は土曜日の午前中に一人にしたからか、カバンに忍び込んで学校に付いて来た。


忍び込んでいたのに気付いたのは、校門に着いた時だった。しかも、ちゃっかりお昼用に用意しておいた煮干しを持ってきていた。


学校に通いだしてから、昼間は相手をしてあげられないから許すことにした。




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