牙龍 私を助けた不良 上
今日もバイクをいじっているらしい。手には軍手をはめて、工具を握っている。
大雅のバイクは、白いボディーのスリムなバイクだ。色々と改造していて気に入っているらしい。
「今日も外かい、凜華ちゃん」
「・・・つまんないから」
「そうなのか?」
「志貴は本読んでた。陸斗と海斗はプロレスしてて、暁が巻き込まれてた。勇人は女嫌いだし」
「龍騎さんは?」
「・・・木藤は寝てる。だから、ミライと遊ぶか外にいるかしかないんだ」
そう言うと制服のポケットから、ミライがひょこっと顔を出して大雅をじっと見つめた。