牙龍 私を助けた不良 上
「「凜華ちゃんも行くんだよ!!」」
「は?」
「「は?じゃなくて」」
「ヤダ、面倒臭い」
「せやから言うたやろ?諦めや」
暁がそう言うと、双子は不貞腐れる。だが、すぐに悪戯っ子い顔をして再び志貴にすがった。
「「凜華ちゃんの歓迎をかねて行こ〜!!」」
再びギャーギャー騒ぎ出す彼等に、部屋の隅でゲームをしている勇人が煩いと言わんばかりに睨んでいる。
そんな奴等を横目に、志貴が直したソファーにごろんと転ぶ。ミライがポケットから出て、引っ付いてくるのをくすぐったく思いながら目を閉じた。