牙龍 私を助けた不良 上
* * * * *
『夏と言えば海だよね』
『・・・日焼けしてもいいのか?』
『いいじゃない、戒希』
『桃華がそう言うなら』
仲が良い二人はイチャイチャして、ハートを飛ばしまくっている。
『仲良いのな〜』
それを見ている私の隣でチャラい見た目の男が、二人を見て言う。
『イチャイチャしすぎで熱気が飛んでくる。ある意味凶器だ』
『言い過ぎ。妬くなって、凜華』
『はぁ?黙れ、女ったらし』
『またまた〜。凜華は素直じゃねぇなー。このツンデレ』
『・・・キモッ』
私がツンデレだとか訳の分からないことを言ってくる男。戒希とは正反対な性格。
『ひどっ!!』
『そうだね、酷いねー(棒読み)』
『あ、やめて。そんな見下した目で俺を見るなー!!バカにすんなよ!?』
言い合っている私と男。傍目からしたら、子供の喧嘩のようだ。