牙龍 私を助けた不良 上
そんな私と男を見て、桃華と戒希が笑う。バカにしたような笑いではなく、子供を見守る親のような笑いだった。
そして、桃華が、
『何だかんだで、仲良しだよね』
そう言って笑った。
──永遠だと思っていた。
桃華と戒希と──アイツが居て。
当たり前になってたから。素直に言えなかったけど、あの頃は、楽しくてしょうがなかった。
それなのに──。
幼かった私達にとって、世界というモノは甘くなんてなかった。
私の心を、居場所を、仲間を、妹を一瞬にして傷付けていった。──大切な人までをも。
そして。
深い傷を私に刻み付けた。それは、目に見えない傷で、今も私を蝕み苦しませる──心の傷。
『・・・をか・・て、・えし・・!!!』
『お前・・ね・、・・った・・な。』