牙龍 私を助けた不良 上
・・・あ、そうか。
ミライは人見知りだから、会って間もない双子を威嚇してるのか。
木藤の時は初対面で飛び付いたのに、何でだろう。何か、違いでもあるのか?
「諦めた方が良いですよ。陸斗、海斗」
「「何でぇ〜?」」
「見て分かるでしょう。その仔猫は、貴方達を威嚇していますよ」
そう言った志貴は、辞書みたいに太い本を片手にソファーに座っていた。
幹部部屋は志貴を含めて、私とミライ、暁、双子しかいない。
暁はぶーぶー不貞腐れてる双子の頭を、慰めるようによしよしと撫でている。
・・・コントみたい。
そう思っていると、背後のドアが開いた。そこに居たのは、木藤だった。