嘘カノ生活
SIDE:MAMIYA

 
 
見たけど、無理だったんだ。 
 


 
最後の講義が終わって、自販機で買ったコーヒーに口をつけた時だった。 
 
…"それ"を見たのは。 
 
 
 
「……あ」
 
 
ガラス越し、遠くに見えたのは俊介と、…朝未。 

俊介の様子が違うのは、遠くからだって分かる。 
 

 
けど、なんで朝未がいんだよ。

俺、もう来るなって言ったはずだ。

…いや、あれはただの勢いだったけど。 
 

 
俊介につられてるのか、あいつも真剣な様子。 

何の話をしてるのか、それはもちろん聞こえなかった。


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