嘘カノ生活
「あ、ああ…こんちは」
 
 
どうしてこの子がここにいるのかも理解できない。 
 
朝未と来たのか?

じゃあなんで今一緒にいないんだ。

 
 
「あの、ちょっと良いですか」
 
頭の中を整理しようとする俺をよそに、酒井さんは隣の椅子に座った。 
 
 
 
俺の横に座った酒井さんは、急に固まって、驚いた顔をした。 
 
何かと思って、その子の見る方向に目をやると。 
 
 

…ああ。 

あいつら。 
 
 
視線の先には、俺がさっき見ていたのと同じ光景。

俊介と朝未が2人でベンチに座ってるとこ。 
 


「…あれ、良いんですか?」 

「え?ああ…。まあ、男の方俺の友達だし」 
 
 
 
本当はすげえ嫌だけど。

そんな事言える訳がない。 
 

 
「友達だからって、安心は出来ないと思いますけど」

「…鋭いね、酒井さんて」
 


そうだ。

俊介だって、…朝未の事。 
 
 

「それはそうとして。…朝未のことなんですけど」 
 
そう言って、話は切り出された。
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