嘘カノ生活
SIDE:ASAMI 
 
 
 
 
「…遅いですね」
 
「まだ話してんじゃない?」 
 
 
 
俊介君との話が終わって、それから20分程経った。 
 
夕菜と別れてからは1時間経っているのに、まだ来ない。 
 
 


「…早く、来ないかな」 
 
「はは、俺と一緒にはいたくないって?」 
 
「え?!ち、ちが…」

「ジョーダン。反応おもしろいね朝未ちゃん」 
 
 


さっきから、ベンチに座ってこれの繰り返しみたいなのが続いている。 
 
大した話はしてないけど、話が途切れる事もなかった。 
 
「……」

11月の寒空の下、確かに寒かったけど、何故か心地よくて眠気があたしを襲う。


 
 
「朝未ちゃん?目瞑ってどしたの」 
 
「…わっ。すいません、眠くて……」 
 
「そっか。…でもそーゆーの、壮以外には見せないようにね」

「?…はい」 
 

"そーゆーの"がどういうのかわからなくて、曖昧に返事をした。
 
 
 
 
外は相変わらず、寒かったけれど。 

マフラー、してくればよかったなと思いながら、鼻をすすって、瞼を閉じた。
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