嘘カノ生活
「まあ…それなら良いんだけどさ。そんな簡単に付き合う、とか決めんなよ」

 
以前の壮なら考えられない言葉だ。

前は女をとっかえひっかえ、なんて言っちゃ悪いけど、女癖が悪かった。
 
 
 
…朝未ちゃんがいるからだよな。

やっぱり、あの子にはお前が、お前にはあの子が必要なんだ。
 
俺には二人の間に入る隙間なんて、ないんだよ。

 
 
「まあまあ、これでも真剣だからさ。ほれ、お前朝未ちゃん迎えに行くんだろ。さっさと行けよ」

 
と、背中を押して無理やり帰らせた。 
 
 
「…さて、どっか寄っていきますか」

 

 
そんなわけで、俺は只今たった一人で喫茶店にいる。
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