嘘カノ生活
「じゃあ仲間だ。俺も壮にフられちった」

そう冗談で返すと、夕菜ちゃんはもう一度笑った。

 
 
「良かったら一緒しない?フられた同士」

「いいんですか?じゃあお言葉に甘えて」

「前もこんな感じだったよね」

 
前回、朝未ちゃんと壮が二人で帰った後、俺と夕菜ちゃんは本当にお茶をした。

その時も、こんなノリだった。 
 

 
「あ、どーぞ」

すかさず向かい側のいすを引いて夕菜ちゃんを座らせた。 

「どうも」
 

二人とも座った後、急に彼女の視線を感じた。 
 


「な、なに?」

「高村さんて女慣れしてます?」

 
前も思ったけど、この子話が唐突だよな。



「まあね、女の子には困ってないよ?毎日違う子とデートしちゃったり」

頬杖をついて笑顔で返してみる。

< 145 / 321 >

この作品をシェア

pagetop