嘘カノ生活
「あ、あたしそういうの見破るの得意なんです」

「あれ、ばれた?」


 
苦笑いをして、さっきから数十分かけて飲んでいた残り少しのコーヒーを一気に飲み干した。

 

「あ、突然で悪いんだけど、彼女になってくれないかな」

「彼女…?」

「うん。なんかさー、壮のやつが、俺が朝未ちゃんの事好きなんじゃないかとか言い出すから」

「カモフラージュ役ってわけですか」

「聞こえは悪いけどね」


 
先手必勝、というか。

壮がこの嘘に気づいたら、もう逃げ道はない。

そうなる前に、協力してほしかった。



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