嘘カノ生活
「間宮さん、ずるい…」

「何が。言っとくけど俺、子供と思ってる奴にはキスしねーし、それに」

 

と、急に黙り込んでしまった間宮さん。

沈黙が流れたけど、その中で耳に入ってくる速い心臓の音。

それはあたしのものではなく、今あたしが顔を寄せている間宮さんの心臓からだった。
 
 
 
普通よりもっと速くて、言葉に出さなくても気持ちが聞こえてるみたいで。 
 


「誰が"簡単に抱きしめたり、頭撫でたり"だ。悪いけどお前といるときはこんなんだよ」



数秒の沈黙の後、そのままの状態で間宮さんは言った。 
 
そんな風に言われると、自分まで脈打つ感覚が速まっていく。

 

「やっぱり、間宮さんずるい」

 

それでも、やっぱり愛しいと思えた。

ただの好きとかじゃない、もっと温かい気持ちで、染み渡っていくような幸福感。


 
 
 
 
多分、"愛してる"だと思う。
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